COLUMNコラム
2025.12.17
資産運用についてFPの視点で2025年を振り返る!!

2024年末から2025年にかけて、資産運用の現場では多くの変化と気づきがありました。新NISAの本格稼働によって、個人投資家の投資マインドがより積極的に変化する一方で、相場環境や為替の動きが結果に大きく影響する一年でもありました。
特に為替と株式市場の関係性や、それを受けた運用成果の捉え方には注意が必要です。この記事では、2025年を振り返りながら、資産運用に関わるみなさんが今後に活かせるヒントをお伝えします。
新NISA本格始動がもたらした意識の変化
2024年に始まった新NISA制度が本格的に活用され始めた2025年。積立投資枠と成長投資枠が併設されたことで、これまで以上に多くの方が「NISAで何を買うか」「どのくらい投資するか」と向き合うようになりました。
特に人気だったのが「オルカン(全世界株式)」や「米国株インデックス」といった商品です。中でも新たに投資を始めた方々は、わかりやすさと過去のリターンの高さを根拠に、深い理解をしないまま「なんとなくオルカンを毎月積立」しているケースも多く見られました。
相談現場で見えた「資産が増えた理由の誤認」

実際に私たちの相談現場では、投資を始めて半年〜1年ほどの方からこんな声を多く耳にしました。
「NISAでオルカンに積立したら10%以上増えた!やっぱり株ってすごい!」
しかし、この“成果”の背景を冷静に振り返ってみると、2025年前半の**急激な円安**の影響が大きく寄与していたことが分かります。
例えば、オルカンに含まれる約60%以上は米国を中心とした先進国株式で構成されています。2025年は、年初から年央にかけてドル円が130円台から160円台にまで下落した局面がありました。
この期間に投資を開始した方の場合、為替変動による円建て評価額の増加が**全体のリターンの半分〜6割以上**を占めていたケースもあります。
つまり、株式市場が横ばい〜微増でも、「円安」によって資産が増えたように見える状態になっていたのです。
株価自体が5%しか上昇していなくても、為替の変動によって円換算では20〜30%上昇して見える、という現象が起こります。
これを「為替リターン」といい、2025年の投資成果の中では為替の影響が非常に大きかった年といえるでしょう。
このように、為替要因で“見かけ上”のリターンが増えているだけなのに、それを純粋な投資成果と誤認してしまうと、投資判断を誤るリスクが高まります。
これは「運用成果の中身をきちんと分析していないまま、今後も増えるはず」と誤解してしまうリスクにもつながります。
「世界株ならなんでも安心」ではない

2025年の相談事例で特に多かったのが、「オルカンや全世界株式に投資しておけば間違いないですよね?」というお声です。
確かに分散投資という観点からは合理的な考え方です。しかし、実際には「全世界」と言いながらも構成比率は米国が50〜60%以上であり、先進国偏重型になっている点に注意が必要です。
また、新興国への分散を意識して投資信託を選んでいても、そこにはカントリーリスクや通貨下落リスクなどが含まれます。2025年もアルゼンチンやトルコなどの一部新興国では、金利上昇やインフレによる市場不安が継続し、一部の国では市場取引停止といった出来事もありました。
つまり、「分散していれば安全」「世界株なら安定」という考え方では、想定外のリスクにさらされてしまう可能性もあるのです。
為替リスクを含めた「資産管理」の視点

投資成果を正しく評価するには、「為替リスク」と「市場リスク」の切り分けが必要です。
特に米ドル建てのファンドやETFに投資している場合、1ドル=130円から160円への変動は約23%の上昇です。
たとえば100万円分のドル建てファンドを購入した場合、
株価が5%上昇 → 105万円に
為替が20%円安 → 105万円 × 1.2 = 約126万円に
このように、株式の上昇以上に為替による影響が大きい年でした。
逆に、株価が好調でも**円高が進めば評価益はゼロ〜マイナスになる場合も。
この為替による利益は「為替が戻れば逆回転」も起こり得ます。
今後、1ドル=160円 → 140円のように円高が進めば、評価額は大きく減少するリスクもあるのです。
短期の含み益に惑わされず、資産運用を実践している方こそ、こうしたリスクを踏まえ、
通貨分散(外貨建てと円建て)
地域分散(先進国・新興国・日本)
資産分散(株・債券・保険商品)
といったバランスを保ちながら、長期的な視野での資産設計が必要です。
投資スタイルは「人それぞれ」
2025年は多くの方が資産運用に踏み出した年でしたが、
「資産を増やしたい人」
「老後資金を確保したい人」
「相続や贈与を見据えた準備をしたい人」
など、投資の目的は人によって様々です。
目的によって選ぶ商品や配分も変わりますし、心理的に耐えられるリスクの水準も異なります。
私たちハートリンクコンサルティングでは、
投資商品の中身のご説明
ご家族構成や収支バランスも踏まえたポートフォリオのご提案
税制優遇制度(NISAやiDeCo)の活用方法
など、お客様一人ひとりに合わせた「伴走型」のサポートを大切にしています。
まとめ 2026年以降に向けての心構え

2025年は「為替」という外部要因の影響がとても大きかった一年でした。
資産運用の成果に一喜一憂するのではなく、その中身を正しく評価し、今後の資産形成の軌道修正に活かすことが重要です。
NISAという制度が普及した今だからこそ、「買って終わり」ではなく、
どのような資産を
どのようなリスクを取りながら
どのような期間保有して
どのように出口戦略を取るか
を意識しながら、ご自身に合った資産運用を継続していきましょう。
